AIドライビング人事評価 ・投稿日:2026年10月31日
専門家は「AIの速度を落とさせる人」とは?
質問(現場の視点)
AIを使うと仕事が目に見えて速くなるので、社長の私は、もっと多くの仕事をAIに任せたいと考えています。ところが、社内には止める役の部署も担当者もいません。外部の専門家に相談すると、たいてい「もっとAIを活用しましょう」と背中を押されます。AIの使い方を決めるとき、社長一人の判断で進めてよいのでしょうか。外部の専門家には、どのような役割を期待すればよいですか。
Chat先生の回答(AI)
道路の制限速度は、運転する人が決めるものではありません。一般道の60kmは法律で決まっていて、それより低い制限は、道路の幅や通学路かどうかを見て、都道府県の公安委員会が決めます。運転手に任せれば、急いでいる人ほど速度を上げるからです。
AIも同じです。社長がAIの使い方を一人で決めると、速さを追い求めていきます。それは社長の性格の問題ではなく、経営者として当然の感覚です。浮いた人件費や短くなった作業時間は、すぐ目に見えます。速度を出しすぎた危険は、事故が起きるまで見えません。
ですから、外部の専門家に期待してほしいのは、アクセルを踏ませることではなく、速度を落とさせることです。
法律には、すでにその役目を持つ人がいます。トラック運送会社の運行管理者は、点呼で運転手の体調を確かめ、無理な運行には「この便は出せない」と言います。法律は会社に、運行管理者の助言を尊重するよう求めています。産業医は、働かせすぎに対して会社に勧告でき、その勧告は衛生委員会に報告されます。どちらも、止める言葉が雇い主に聞き流されないよう、仕組みで守られています。
AIの専門家には、まだその仕組みがありません。そこで役立つのが、社長自身が定める社内の規程です。「この操作は人の承認なしに行わない」と社長が決めて残しておけば、専門家が速度を落とさせるときの根拠は、「専門家の意見」ではなく「社長が決めた規程」になります。
詳しくは、『AIに鍵を渡しているのは誰か ― AI安全管理三点セット』(2026年12月刊行予定)で解説しています。
(2026年10月31日 小山田政義 特定社会保険労務士)