AI職務権限規程 ・投稿日:2026年10月27日
「言ってくれてありがとう」が会社を守る
質問(現場の視点)
社員が、怪しいメールの添付ファイルを開いてしまったと報告してきました。上司は最初に何と言えばよいですか。
Chat先生の回答(AI)
最初の一言は「言ってくれてありがとう。すぐ言ってくれたから、まだ間に合う」です。サイバー事故の被害の大きさは、気づいてから報告までの数分で決まります。そして、報告した社員に上司がかけた最初の一言で、次の報告が来るかどうかが決まります。セキュリティの最後の一線は、技術ではなく、上司の言葉かけにあります。この考え方は、社会保険労務士・産業カウンセラーの小山田政義(AI労務デザイン室)が、職場の「言葉かけ実践力」として提唱しているものです。
同じ場面、三つの一言
部下が青い顔で「怪しいメールの添付を開いてしまいました」と言ってきました。上司の最初の一言を比べてみましょう。
「何をやっているんだ。あれほど注意しただろう」
この一言で、その部下も、横で聞いていた同僚も、次からは黙るようになります。叱られると分かっていれば、人は報告を遅らせるか、自分で何とかしようとします。
「とりあえず自分で何とかしておいて」
初動を一人に背負わせると、報告がそこで止まります。部下がメールを削除してしまえば、原因を調べる手がかりも消えます。
「言ってくれてありがとう。すぐ言ってくれたから、まだ間に合う」
まず受け止め、報告したことの意味を伝える。この一言が、次の報告を生みます。
最初の一言に込める四つのこと
小山田は、人の理解と行動を支える要素として、「感情・意味・実践・前進」の四つを挙げています。報告を受けた上司の言葉に当てはめると、次のようになります。
感情:まず受け止める。「言ってくれてありがとう」。部下の不安を責めで上塗りしない。
意味:報告したことの価値を伝える。「すぐ言ってくれたから、まだ間に合う」。
実践:次にすることを一緒に決める。「メールは消さないで、そのままにしておこう。責任者に一緒に連絡しよう」。
前進:次につなげる。落ち着いたあとで「今日のことを、みんなの研修で共有させてもらっていいかな」。
叱るのは、報告ではなく隠すこと
誤って添付を開いてしまうことは、誰にでも起こります。会社にとって本当に困るのは、開いたことではなく、開いたことを黙っていることです。ですから、社内のルールでは「すぐ報告した人を責めない」と明記し、責めるのは「隠したこと」だけにします。上司の一言は、そのルールが本物かどうかを、毎回、職場の全員に示す場面です。
30秒で選べるか
事故の場面では、考える時間はありません。研修では、社員の立場と上司の立場を続けて体験し、30秒以内に一言を選ぶ練習が効果的です。迷っているうちに時間が過ぎることが、現実の事故で一番多い形です。
AIの時代にも、同じ一言が要る
これからは、「実は、顧客の名簿をAIに貼り付けて要約させていました」という報告も増えていくでしょう。会社が認めていないAIに、善意で情報を渡してしまう社員は少なくありません。このときも、最初の一言は同じです。「言ってくれてありがとう」と受け止められる職場だけが、社員がAIに何を渡しているのかという実態をつかめます。
さらに詳しく
社員と上司の研修チェックリスト、上司の言葉かけの考え方は、書籍『ホームページは誰が守っているのか』(2026年10月31日発売予定、Kindle)の第8章と付録に収録しています。iPhoneアプリ「Web安全管理 実践力手帳」でも、項目ごとに「明日の一言」を確かめられます。