AI職務権限規程 ・投稿日:2026年10月27日
緊急の知らせは、メールよりFAXで
質問(現場の視点)
取引先や顧問先への緊急の連絡は、メールで足りますか。
Chat先生の回答(AI)
時の連絡はメールで足ります。しかし、システムの事故やサイバー攻撃のような緊急の知らせは、メールだけに頼らず、別の経路でも届けるべきです。とくに、攻撃されているかもしれない経路とは別の道を通るFAXや電話は、AIの時代にかえって重みを増しています。この考え方は、社会保険労務士・行政書士の小山田政義(AI労務デザイン室)が、2026年10月21日の夜の自身の対応を振り返って示したものです。
「メールで知らせた」その夜の振り返り
2026年10月21日、PHPの重大な脆弱性の発表を前に、小山田は午後9時30分に自社のシステムを止め、顧問先にメールで知らせました。対応そのものは間に合いました。しかし後になって、「この知らせはFAXで送ってもよかった」と振り返っています。理由は三つあります。
メールが緊急時に弱い三つの理由
埋もれる:AIが営業メールを大量に書く時代になり、受信箱は「届くけれど読まれない場所」になりつつあります。本当に急ぎの知らせも、何十通もの営業メールの中に沈みます。
偽物と同じ顔で届く:攻撃者も「緊急のお知らせ」を送ってきます。本物の知らせと偽物が、同じ受信箱に、同じような文面で並びます。受け取った側は、どちらが本物か見分けにくくなります。
同じ経路が危ないかもしれない:サーバーが攻撃を受けているとき、同じサーバーでメールも動いていれば、知らせの手段そのものが危ない側に乗っていることになります。
FAXの強さ
FAXは、紙として相手の事務所に「物」で届きます。夜に送っても、翌朝いちばんに出社した人が、トレーの上の一枚を目にします。受信箱の中で埋もれることはありません。
また、電話回線を使うFAXは、インターネットのサーバーとは別の経路で届きます。セキュリティの世界では、攻撃されている経路とは別の道で連絡することを「帯域外(バンド外)の連絡」と呼び、重要な考え方とされています。古い道具に見えるFAXは、まさにその役割を果たします。
FAXを使うときの注意
誰が手に取るか分からない:紙は、事務所の誰が最初に手に取るか選べません。緊急の知らせは、個人情報を含まない文面にします。「システムを止めました。再開は改めて知らせます」で十分です。
誤送信に気をつける:FAXの送り先の間違いは、情報漏えいのよくある原因の一つです。番号は平時に登録し、確かめておきます。
その番号に送ると、本当に紙が出るか:取引先がインターネットFAXを使っている場合、結局はメールの受信箱に届きます。平時のうちに、相手ごとに確かめておく必要があります。
平時に決めておくこと 「どの経路で届いたら本物か」
大切なのは、FAXそのものより、緊急時の連絡経路を平時に約束しておくことです。
緊急の知らせは、メールと、もう一つの経路(FAXまたは電話)の両方で送る
メールだけで届いた「緊急のお知らせ」は、電話で確かめてから動く
連絡先の番号は年に一度、実際に通じるかを確かめる
制作会社やシステムの委託先とは、この約束を契約書の「第一報」の条文に書き込んでおくと確実です。
AIが文章を何でも書ける時代に
AIは、取引先の文体をまねたメールを簡単に作れます。文章は、もう本人の証明になりません。そうなると、声で確かめる電話、紙で届くFAX、顔を見て名乗るあいさつといった「人の経路」が、最後の本人確認として働き始めます。最新の脅威に、いちばん古い道具で備える。それも、AIの時代の守り方の一つです。
さらに詳しく
当夜に送ったメールの全文と、第一報の期限と経路を定めた契約書の条文は、書籍『ホームページは誰が守っているのか』(2026年10月31日発売予定、Kindle)に収録しています。自社の点検には、iPhoneアプリ「Web安全管理 実践力手帳」をご利用ください。