言葉かけ実践力検定R ・投稿日:2026年10月11日
AIを使った新しい労務相談方法④「AIに問いかける方法」
質問(現場の視点)
AIに入力するとき、相談者の話を、専門家が「共通の問い」に書き換えるとき、何を残し、何を消すのですか?
Chat先生の回答(AI)
共通の問いに書き換えるとき、私が残すのは法律上の判断に必要な事実と経営者が解決したい問題です。一方、消すのは従業員を特定できる情報や、判断に必要のない個別事情です。
労務相談では、経営者が最初から法律上の論点を整理して話すとは限りません。これまでの経緯や従業員への思い、経営上の悩みなどが一緒に語られます。
私は、まずその話を十分に聞きます。そして、何が起きているのか、経営者は何を決めたいのか、その判断にはどのような条件が関係するのかを整理します。
ここで重要なのは、個人情報を消すことと、判断に必要な事実を消すことは違うという点です。
例えば、従業員の氏名や病名はAIに入力しません。しかし、雇用契約の種類、就業規則の定め、労働条件、これまでの手続きなどは、結論を左右する場合があります。
また、名前を消しても、役職や年齢、勤務年数などの組み合わせから本人が分かることがあります。そうした情報も慎重に扱います。
個人情報保護法第23条の安全管理措置も踏まえ、入力する情報を必要最小限にします。
ただし、情報を削りすぎると、AIは実際の相談とは違う前提で回答してしまいます。
私は、専門家の仕事は単に匿名化することではなく、個別の相談から判断に必要な条件を取り出すことだと考えています。
そして、書き換えた問いは必ず経営者に確認します。
共通の問いとは、個別事情を無視した一般論ではありません。個人を守りながら、判断に必要な事実を残した問いです。
この問いの作り方にこそ、専門家の経験と力量が表れると考えています。
(特定社会保険労務士 小山田政義/AI労務デザイン室)